VTFM-NewGen 活用事例
構成例 1 - GM/GCとGridの同期ずれによる不整合を解決する構成
GM/GCとGridを併用している場合、これらの災対環境へのデータコピータイミングは、同期をとっていません。
そのため、災対環境のディスクデータとテープデータに不整合が生じる可能性があります。
新環境は、VTFM-NewGenを導入し、テープデータをディスクシステムへ移行することで、テープデータもGM/GCによって災対環境へコピーされる構成です。
この構成では、ディスクデータとテープデータいずれもGM/GCによってコピーされるため、データコピータイミングによる不整合が発生しません。

構成例 2 - OPEN系Server / ディスク間コピー (GC)の併用
GM/GCとVTFM-NewGenの外部保管機能を併用した構成です。
VTFM-NewGenの仮想TAPE VOLの使用頻度により、使用頻度の高いものを常駐・低いものを非常駐として分類します。
- 常駐テープはディスク上に残しGM/GCによって災対環境へコピー
- 非常駐テープは外部保管機能でFTPサーバーへ保管し、使用時にディスクシステムへRESTORE
災害発生時のシステム復旧時間を抑えたまま、より安価なOPEN系ストレージを使用するコストメリットを受けることができます。

構成例 3 - OPEN系Serverへの外部保管
Open系ストレージへの外部保管を使用した構成です。
物理テープによる外部保管や長期保管データのコストを削減する構成です。
VTFM-NewGenの仮想テープデータをFTPサーバーやクラウド環境といった、より安価なストレージへ外部保管することで、データ保管コストを削減します。
外部保管するテープデータは、使用頻度によって常駐・非常駐を選別することで、データ伝送によるバッチ処理遅延のない運用が可能です。

Db2のログ保管について
- Db2は、データ変更および重大なイベントを記録するために、ログデータセットをもっています。
- このログデータセットは、可用性の観点からプライマリー・ログとアーカイブ・ログの2つに分かれています。

従来のデータベースミドルウェアDRサイト
構築
- データベースミドルウェア(Db2、IMS、MQ)のリカバリーに、DASDとTAPE(VTS)を使用するDRサイト環境です。
リモートサイト同期
- DASD上のデータベースおよびプライマリー・ログはGlobal Mirrorにて、VTS上のアーカイブ・ログはVTS Gridにて、それぞれDRサイトにリモートコピーします。
リカバリー
- DASD上のプライマリー・ログもしくはTAPE(VTS)上のアーカイブ・ログを使用してデータリカバリーを実行します。
問題点
- 24時間以内であれば、プライマリー・ログによるリカバリーが可能ですが、それ以前は、アーカイブ・ログを使用する必要があります。
- VTSの仮想TAPEは、UNLOADされたタイミング、つまりデータセットがクローズされたタイミングで初めてリモートサイトにコピーされるので、アーカイブ・ログが完全な状態ではない期間が必ず存在してしまいます。
- そのため、リカバリー時にデータベースとアーカイブ・ログの不整合が発生する可能性があります。

VTFM-NewGenを活用したデータベースミドルウェアDRサイト

構築
- データベースミドルウェア群(Db2、IMS、MQ)の、リカバリー時の不整合を防止するDRサイト環境です。
- TAPE(VTS)を廃止し、テープ運用をVTFM-NewGenに変更することで、Global MirrorによるDASDのバックアップ一本でDRサイトの構築を実現します。
リモートサイト同期
- DASD上のデータベースおよびプライマリー・ログ、そして仮想TAPEとして保管されているアーカイブ・ログの3つを、Global MirrorにてDRサイトにリモートコピーします。
リカバリー
- DASD上のプライマリー・ログもしくはアーカイブ・ログを使用してデータリカバリーを実行します。
改善点
- データベース、プライマリー・ログ、アーカイブ・ログが全てDASD上にあるため、リカバリーの不整合が発生することがありません。
- VTFM-NewGenは、TAPEでありながらDASD領域に保管されるため、DISKの特性による恩恵を受けることが可能です。
LTO4zとの連携
LTO4zのご紹介はこちら
LTO4z 概要
- z/OS上のホストのデータをオープン系LTO物理カートリッジに書き出すソリューションです。
- ホストのデータを一旦VTFM-NewGenの仮想テープVOLUMEに書き込み、LTOテープライブラリ装置が接続されているオープン系サーバーにデータをFTP転送します。
- サーバーに保管されている仮想テープVOLUMEをまとめてLTO物理カートリッジに書き出します。
LTO4z 特徴
- VTFM-NewGen 仮想テープVOLUMEをLTO物理カートリッジにバックアップ/リストア
- 仮想テープVOLUMEとLTO物理カートリッジの1対1またはN対1(スタッキング)のバックアップ可能 - LTO4zはx86系Linux (RHEL等)に加え、z/Linux環境もサポートしています。- z/Linux 環境の場合、LTOライブラリー装置はSAN接続になります。
- x86系Linux環境の場合、LTOライブラリー装置はSAS接続になります。

OPEN系Serverのストレージ - 重複排除機能
VTFM-NewGenの外部保管機能に使用するOPEN系ストレージに重複排除機能を持つものを採用することで、より少ないコストでデータを保管できます。
左図の通常のストレージの場合ではデータを全量保存するため、それぞれのデータ容量の合計が全体の保存データ容量となります。
この場合、バックアップデータのようなデータ全体のうち一部が変更されるようなデータも、そのままの容量で保存されます。
右の重複排除機能を持つストレージでは、データを細かいパーツに分解し、異なるデータに同じパーツが含まれている場合、そのデータを除外して保存します。
バックアップデータのうち、変更されていないA,Bのパーツはバックアップ1にて保管され、バックアップ2,3では保存されません。
このような仕組みで、さらにデータ保管コストを削減できます。
